水戸市における、「相続トラブルをなくすために生前対策」するまでを事例形式で3つご紹介します。
※実際の関係者や物件が特定できないように、複数の事実を改変・翻案してまとめた内容になります。
1.水戸市にお住まいのB様が「遺言書で配偶者居住権を定め、妻に自宅を残した事例」
お客様の相談内容
売却物件 概要
所在地 | 水戸市元吉田町 | 種別 | 一戸建て |
---|---|---|---|
建物面積 | 135.18m² | 土地面積 | 420.36m² |
築年数 | 37年 | 査定価格 | 1,900万円 |
間取り | 4LDK | その他 | ― |
相談にいらしたお客様のプロフィール
水戸市にお住まいの70代のB様がお客様です。
B様は生前対策として、奥様と息子様の間で相続トラブルが起きないようにしたいと考えていらっしゃいます。
B様が予定している相続財産は現在、ご自宅と金融資産約800万円です。
B様が先日息子様に、金融資産は息子様に譲るが、奥様に住み慣れた自宅を相続させたいと伝えたところ、「自宅の価値は金融資産よりずっと高いはずで、それでは不公平だ」と反対されてしまいました。
解決したいトラブル・課題
課題
遺言で妻に自宅を相続させたいが、息子は「自宅の価値の方が、自分が相続する金融資産より高いはずで、不公平だ」と反対している。
B様が自宅を妻に相続させると遺言しても、息子様の反対にあっては親子間で争いがおきかねません。
何かと息子の言いなりになりやすい妻を心配されたB様は、よいやり方がわからず途方に暮れてしまいましたが、とにかく自宅の価値はどれくらいなのかまず確認してみようと思い立ちました。
不動産会社の探し方・選び方
B様は不動産会社に自宅の査定をしてもらおうと、インターネットで相談先を探しました。
すると、見つけた不動産会社のなかで、
- 具体的ないくつかの売却例が「お客様の声」として写真付きで掲載されていて、信頼できると感じた
- 「親族の遺産相続のトラブルが心配」という相続問題を解決してくれる
不動産会社があり、早速B様はご自宅の査定と遺産相続の相談のために訪問を決めました。
B様の「トラブル・課題」の解決方法
B様のご依頼を受けて、ご自宅を査定したところ、およそ2,400万円でした。
ご自宅の2,400万円と、金融資産800万円をそれぞれ奥様と息子様に相続させれば、確かに不平等が生じてしまいます。
こういったケースでは、「代償分割」とよばれる、「代償金」の支払いで不平等を解消する相続方法があります。
B様のケースでは、平等な相続の金額が1,600万円ですので、奥様が800万円を息子様に「代償金」として支払うことで清算できます。
しかし、年金暮らしになる奥様に、800万円の代償金を支払う経済上の余裕がありません。
そこで弊社は、奥様がご自宅に住み続けることができる代替案として、「配偶者居住権」の設定をお勧めしました。
1.「配偶者居住権」で自宅に住み続けられる
配偶者居住権とは、被相続人が所有していた建物に、被相続人の配偶者が引き続き無償で居住できる制度です。
遺産分割で配偶者が住居を失うか、代償金を支払わなければならないとうい問題を解決し、配偶者の住居と生活資金を確保するために2020年に施行されました。
この制度では、建物の価値を「所有権」と「居住権」に分けて考え,配偶者に建物の「所有権」がなくても、「居住権」のみで住み続けることを可能にします。
配偶者居住権が成り立つ要件は、主に下記のとおりです。
- 死亡した被相続人の配偶者が相続人である
- 配偶者が被相続人の死亡時、被相続人が所有する建物に同居していた
- 「遺産分割」、「遺贈」、「死因贈与」、「庭裁判所の審判」のいずれかの方法で配偶者居住権を取得した
2.遺言書で、妻に配偶者居住権を定める方法
B様が遺言書で奥様に自宅を残し、息子様と奥様で金融資産を平等に相続させるには、下記のように遺言します。
第1条
遺言者は、遺言者が所有する以下の建物の配偶者居住権を、妻〇〇〇〇(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)に遺贈する。
所在地:茨城県水戸市元吉田町〇丁目〇番地〇
家屋番号:〇〇番〇〇
種類:居宅
構造:木造スレート葺二階建
床面積:一階 〇〇平方メートル 二階 〇〇平方メートル
第2条
遺言者は、遺言者が所有する前条記載の建物の所有権を、息子〇〇〇〇(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)に相続させる。
第3条
遺言者は、遺言者の有するその他の金融資産を、妻〇〇〇〇と息子〇〇〇〇に均等に相続させる。
なお、遺言書では、登記などの手続きを円滑に進めるためにも、遺言執行者をしておくとよいでしょう。
配偶者居住権の登記がされていない状態で息子様が家屋を売却してしまうと、奥様の居住権を第三者に主張できず、自宅を追い出されてしまう可能性があります。
3.「結果」
B様は弊社の説明を受けて、「配偶者居住権制度」で奥様に自宅を残したいと息子様に伝えると、同意を得ることができました。
息子様としては、自宅の所有権が手に入るのならB様の遺言内容に不服はないとのことでした。
B様は弊社の司法書士のサポートを受けて、遺言書の作成を終えられました。
「これで相続トラブルの心配がなくなった。妻も自宅に住み続けられるので、大変喜んでいる」とご満足いただけました。
2.東京都にお住まいのW様が「相続人に認知症の母親がいたので、成年後見制度を使って水戸市の実家を売却した事例」
お客様の相談内容
売却物件 概要
所在地 | 水戸市大足町 | 種別 | 一戸建て |
---|---|---|---|
建物面積 | 155.27m² | 土地面積 | 380.81m² |
築年数 | 40年 | 成約価格 | 750万円 |
間取り | 5LDK | その他 | ― |
相談にいらしたお客様のプロフィール
東京都にお住まいの50代のW様が相談者です。
W様のお父様が亡くなり、お母様とW様に相続が発生しました。
お母様は認知症で水戸市の施設に入所されており、東京都に持ち家のあるW様は実家を売却して母親の生活資金に充てたいと思いました。
しかしW様には、認知症の母親がいる場合の、相続手続きの方法がわかりません。
解決したいトラブル・課題
課題
相続人である認知症の母の生活費のために、相続する実家を売却したい。
認知症の相続人がいる場合の相続手続きの方法を知りたい。
W様のお父様は、遺言書を残されていらっしゃいません。
W様はお母様の生活資金が不足してきたため、実家の売却益をお母様の生活資金にしたいと望んでいます。
不動産会社の探し方・選び方
W様は相続不動産の悩み相談に応じてくれる不動産会社があるのではないかと思い、インターネットで相談先を探してみました。
すると、見つけた不動産会社のなかに、
- 相続に特化した業務を行っており、過去750件以上の相談が相続関連
- 来店不要のオンライン相談を受け付けている
不動産会社が地元の水戸市で見つかったので、W様は相談先に選び連絡することにしました。
W様の「トラブル・課題」の解決方法
相続の悩み相談にお越し下さったW様には弊社から、まず認知症の相続人がいる場合の問題点と、その解決策である「成年後見制度」についてご案内差し上げました。
1.認知症の相続人がいる場合の問題点
認知症の相続人がいる場合、相続時に主に下記の問題が起こります。
- 相続人全員の合意が必要な「遺産分割協議」の話し合いで相続内容を決めることができない
- 認知症の相続人と共同相続した不動産は、自由な利用や処分ができない
- 認知症の相続人は、相続放棄ができない
認知症の相続人は「意思能力を欠く」とみなされるため、「遺産分割協議」や「相続放棄」の代筆が認められません。
上記の問題を解決するには、「成年後見制度」の利用が有効です。
2.「成年後見制度」とは
成年後見制度とは、認知症や知的・精神障害などにより判断能力が不十分な方を保護し、支援する制度です。
家庭裁判所により親族や弁護士、司法書士などが後見人として指定され、財産管理や法的手続きを代行します。
成年後見制度のメリットとデメリットは以下のとおりです。
【成年後見制度のメリット・デメリット】
メリット |
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---|---|
デメリット |
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被後見人に十分な判断能力がある場合は、本人が後見人を選べる「任意後見制度」があります。
「成年後見人制度」においては、親族による被後見人の財産の不正利用を防ぐ目的から、「法定後見人」は第三者が選任される傾向があります。
令和5年の統計では全体の約81.9%が親族以外の後見人です。
3.「結果」
W様は自宅を売却して売却益でお母様の生活を支えるためにも、「成年後見人制度」を利用することにしました。
弊社が提携している司法書士のサポートのもと、相続手続きを完了し、無事売却にも成功しました。
遠方からでも窓口一つで複雑な手続きを終え、お母様の生活の支援ができたことに、W様からは感謝のお言葉を頂きました。
3.水戸市にお住まいのA様が、「家族信託制度を使って相続前の実家を売却した事例」
お客様の相談内容
売却物件 概要
所在地 | 水戸市東赤塚 | 種別 | 一戸建て |
---|---|---|---|
建物面積 | 121.54m² | 土地面積 | 233.32m² |
築年数 | 37年 | 成約価格 | 1,450万円 |
間取り | 5LDK | その他 | ― |
相談にいらしたお客様のプロフィール
相談者のA様は水戸市にお住まいの50代のお客様です。
水戸市のご自宅にお一人で住まわれているお母様の近くに居を構え、定期的に家事を手伝いに通われています。
A様のお母様には最近、ご自覚がないものの、認知症の兆候があります。
A様はできる限りお母様には自宅で生活させてあげたいのですが、症状が重くなれば父が以前入所していた信頼できる施設にお母様を預けたいとのお考えです。
解決したいトラブル・課題
課題
母の認知症が悪化し施設に入所することになったら、実家を売却し母の生活費用に充てたい。
A様にはA様同様、母親の世話をされているご友人がいるのですが、ある日「認知症の母親の代わりに銀行で手続きをしようとしたら拒否された」という話をご友人から聞きました。
母親の入所はまだ先だろうと思っていたA様は「事前対策をしておかなければいろいろな問題が起きるのでは?」と急に不安になりました。
不動産会社の探し方・選び方
A様は、お母様の生活費用の足しにどれだけなるのか、実家の価値も知りたかったので、認知症の親がいる場合の売却についての相談もできる地元の不動産会社を探すことにしました。
そのなかで、
- 他社に断られる売却の相談も引き受け、解決してきた実績がある
- たくさんの「住み替え」問題を取り扱っているので、将来施設に入所する母のケースも解決できるかも
とA様が期待できる不動産会社がありました。
オンライン相談を受け付けているその会社に電話をし、とりあえず悩みの相談ができるのか、尋ねてみることにしました。
A様の「トラブル・課題」の解決方法
A様が「こんな悩みも相談できるのかわからないですが」と切り出しお電話でご相談下さったのは、「認知症の親がいる場合の実家の売却」です。
A様のご認識通り、認知症が進み判断能力が衰えると、本人の意思が確認できないので、ご家族が施設の入所契約や、銀行の手続きなどを代わって行うことは、法的に認められなくなります。
しかし、A様のお母様ままだ判断能力が十分にあるご状況です。
そこで弊社は、A様がお母様に代わってお母様の資産を管理・運用することのできる「家族信託」制度をお勧めいたしました。
1.「家族信託」でご実家とお母様の財産を管理する
家族信託とは、被相続人が認知症などで意思能力が著しく低下する前に、信頼できる家族に財産管理を任せる法的制度です。
家族信託を始める手順としては、まず家族信託の目的、管理する財産の内容と管理方法、財産管理者などを家族で話し合って決めます。
その後、「家族信託契約書」を公証役場で作成することで、公証人が契約の有効性を保証してくれます。
家族信託用の口座の開設、不動産の所有権移転登記などの手続きを経て、財産管理を開始できます。
なお、A様の場合、家族信託の目的は「受益者の生活の安定」(生活、介護、納税などに必要な資金を提供)にあるといえます。
家族信託では契約で財産の相続人を指定できるので、円滑な財産の継承を目的として利用されることもあります。
【家族信託の仕組み(A様のケース)】
信託契約 | A様のケース |
---|---|
委託者(保有する財産を預ける人) | お母様 |
受託者(財産を託され、管理・処分する人) | A様 |
受益者(財産を運用・処分した際に利益を得る人) | お母様 |
A様の場合、お母様が「受益者」になることで、A様が「受託者」して実家を処分した際の売却益は、お母様の財産になります。
A様はお母様の財産を、家族信託の目的である「受益者の生活の安定」に使うことができます。
2.「結果」
A様が弊社にご相談くださってから数年後、お母様が施設に入所され、A様は弊社でご実家を売却しました。
A様は、「母は入所直前まで自宅で生活できたし、母が生活に不自由する心配もなくなった」と大変安心されたご様子でした。
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