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2023/04/06那珂市額田南郷 土地155坪 物件調査・査定
先日、知り合いの土木工事会社の代表から那珂市額田南郷 土地155坪の物件調査・査定の依頼を受けました。
『いくらでもいいから買ってくれないか?』
と面識ができた土地所有者から言われたそう。
周辺に住宅・店舗・事務所が点在しているエリアそこから少し入っていった立地。
安く買えるなら資材置き場として利用したい気持ちはあるし、10年後に売却してもいいと考えている。
でも、いくらと言えばいいんだろう?
買った後に問題が判明し、後悔することはあるのか?
現地確認をして法的に調べてほしい、そんな相談でした。
当社は、不動産の買取や仲介での売却以外に
『物件調査及び査定報告」
という業務も有償で行っています。
売主・買主が知り合いで銀行ローンを利用しないなら、重要事項説明書にしなくてもいい。
ただ、売買価格を決める叩き台として、専門家のコメントや報告書が欲しいという要望が一定数あります。
『ああ、これか~!』
ネットで公図・謄本を取ったところ、すぐに判明しました。
グーグルのストリートビューで見ても、隣接には何も建物がない。
あっても、プレハブ小屋・物置があるだけ。
これは、いわゆる「原野商法」と言われるもの。
所有者が買った日付を登記で確認すると、平成元年4月。
時は1989年バブル真っ盛り、1991年3月のバブル崩壊まで地価が上がり続けることが普通の状況。
一般常識の感覚としては、今買っとかないと将来土地が高くて買えなくなってしまう。
原野商法は、未舗装私道を作り区画割を行い、既成の住宅街と一体に見えるようにしているのが特徴。
しかし、建築行為をすることはできない。
理由は、接する未舗装私道(持分あり)は建築基準法の道路ではなくただの通路(土地)だから。
よって、利用可能な用途は家庭菜園・資材置場・駐車場などに限られる。
実際行ってみると途中まで集落性はあるが、現地周辺は草木が生茂り荒れ果て未利用、多少は家庭菜園をやっているだけ。
平成元年(1989年)35年前に取引された20数区画における実態が、今このような状況。
どんな説明や契約が交わされたかは、当時中学校3年生だった私には分かりません。
令和の現代は、コンプライアンスの時代。
法令遵守、企業などが法令や規則を守ること。
不動産業界に属している立場からすると、歴史の一部として重く感じるものがあります。
当時の関係者たちはどんな思いであったのか?
今となってはどうなのか?
時代背景があるにしても、聞いてみたい気持ちになります。
今回の依頼主には、ありのままを説明しました。
お渡しした報告書をもって、所有者(売主)さんと話し合いをし、購入する意思を伝えるそうです。
所有者(売主)さんも今となっては70代半ば。
この土地をどうしていけばいいか?
自分が亡くなった時、相続人に迷惑がかかるのではないか?
不安な気持ちが常にある。
市役所では受取はできないし、解決もできないと言われた。
金額は安くても民間会社の必要な方の手に渡り、活用されれば安心できる。
何らかの進展があれば、私も微力ながら貢献できたことを嬉しく思います。